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🟦1.戦略と計画はどう違うのか
戦略とは “What to do(何をするか)” を決めることであり、コンセプトの設定に近い。 より厳密にいえば、戦略は What(何を)/Who(誰に)/How(どのように) の3要素を決める行為である。
しかし現実には、多くの経営者がこれらよりも How Much(いくら売るか) を優先してしまう。 “売上を伸ばすには売上を伸ばすしかない”という非論理的な思考に陥りがちなのだ。
🟦2.なぜ日本の中小企業は戦略思考が弱いのか
日本の中小企業では、戦略的思考が欠如していると言われることがある。 その背景には以下のような要因がある。
- 高度経済成長期・バブル期の成功体験 戦略がなくても売れた時代の記憶が、経営者の意識に残っている。
- 生業(家業)的な経営スタイル 近年まで規制が多く、厳しい競争にさらされてこなかった。
- 保護政策による競争の不在 例:流通業界の大規模小売店舗法 → 市場が閉鎖的で、戦略の必要性が低かった。
こうした外部環境が、戦略軽視の文化を生んだと言える。
🟦3.PDCA(P–D–C)の誤解が“戦略欠如”を生む

戦略的思考が欠如する内的要因として、PDCAサイクルの誤解がある。
本来、計画(Plan)は
- 調査(Research)
- 分析(Analysis)
- 戦略(Strategy)
を前提に作られるべきである。
しかし、これらを飛ばしていきなり「Plan」を作ると、 計画は単なる努力目標や期待値の羅列になってしまう。
🟦4.ケース:売上至上主義が生む”戦略不在”
ある経営者にインタビューした際、経営理念は立派に整理されていた。 しかし「御社の経営戦略は?」と尋ねると、
「5年以内に売上100億円にすることです」
という答えが返ってきた。
当時の年商は約10億円。 これは戦略ではなく、単なる願望に近い。
さらに競争相手を「同業者全部」と答えたが、 商圏は地方都市の一部に過ぎず、低シェアであった。 競争環境への理解が粗雑で、戦略とは言い難い。
🟦5.戦略と計画を混同すると企業はどうなるか
戦略不在のまま売上目標だけを追うと、企業は危険な状態に陥る。
例: 地域の中小スーパーが一斉にディスカウント戦略を採用し、 ロスリーダー商品を奪い合う消耗戦に突入したケース。
結果として
- 売上は伸びない
- 利益率だけが低下する
- 全社がじり貧になる
という典型的な悪循環に陥った。
🟦6.「戦略的」という言葉を使う前に必要なこと
中小企業の経営者には、 「売上でマーケティングを管理し、資金繰りで財務を把握する」 というスタイルが多い。
しかし利益への意識が薄いまま「戦略的」という言葉を使うのは危険である。
戦略とは、
- 調査
- 分析
- 競争環境の理解
- 自社の強みの把握
といったプロセスを経て初めて成立するものである。
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シリーズ5:地域金融機関という人間牧場-いろんな人がいた- →公開準備中・7月から公開予定